介護報酬の増額改定
今日の新聞1面には、介護報酬が初めて増額の決定が下されたとの記事が掲載されていました。
2000年に介護保険制度が始まって、3年に1回の見直しですが、過去2回は減額されていました。今回は3%の増額になるようです。
読売新聞にはザクッとしたことしか書かれていなかったので、日経新聞を見てみました。するといくつか気になる部分がありました。
例えば、「人件費が高い都市部の報酬を高くした。」という点。確かに都市部は人件費が高いですが、人口動態から言うと都市部でないところの方が、高齢化率も介護を必要とする方の数も多いのです。この改定の仕方は実情に合っていないように思います。
今回の3%引き上げに係る国の予算の上乗せは約600億円。介護保険の予算総額は約2兆円になります。そう、定額給付金に使われる税金の額と同じです。
報酬引き上げに伴って利用者の負担も増えます。介護保険は利用者が全体の1割を負担しなければならない決まりになっているからです。
ならば、定額給付金のための2兆円を介護保険に投入し、予算を総額約4兆円にして、現在の利用者の負担金額を変えないようパーセンテージを小さく調整し、介護職でも魅力ある給料が取れるよう報酬を引き上げることはできないのでしょうか?
政府は雇用対策ということで23兆円を使おうとしているようですが、介護者が少なくなっている、またはいないというのは、日本の将来にとって危機的な状況を生むことになります。
あちこちで仕事を解雇されている方の数が増えていますが、残念ながら介護職に移ろうという人は少ないそうです。それだけ介護職は魅力がないのでしょう。今、介護職に就いてらっしゃる方でも、生活をしていくのは厳しいのです。テレビの報道番組でも何度も取り上げられていて、何度も観ました。
これだけ重要な仕事が敬遠されるその理由は「仕事がきつい、時間拘束が長い、給料が安い」からです。しかし、この仕事がなくなれば、何千万人の方が困ります。生活ができなくなります。自らを犠牲にして身を粉にして介護の仕事をしてらっしゃる方がたくさんいます。そんな介護職の方々に、せめて3つの悪い条件のうち、1つでもなくなるようにできないでしょうか。
高齢化率がもうすぐ25%、和歌山市民の4人に1人が高齢者になってしまう状況の中で、待遇の改善はもっと強く推し進めるべきだと考えます。また高齢者に対してだけでなく、障害者に対しても相当の制度整備をしなければならないと思います。
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