banner
profile
policy
activity
blog
db
link
rss
home

〒640-8235
和歌山県 和歌山市 東長町9-1
TEL:073-426-2475
FAX:073-426-2475
mail:

title activity
2007年09月25日
苦渋の決断

 今日は委員会での採決の日。それぞれの委員会が開かれる前に、会派の議員全員が集まって、それぞれの議案に対する賛否をどうするか、議論をしました。
 一番もめたのは、やはり下水道料金の値上げに関してでした。突然平均約4割もの値上げは市民にとって過重な負担となる。しかし、新しい地方財政政策の下では、現状の赤字を増やし続ける下水道行政のままでは、置いておけない。財政再建団体に転落すれば、今以上の負担を求められる。こんなどっちに転んでも苦が待っているという岐路に立たされました。
 同時にまた、市当局が下水道事業を安定化させようという努力が足りないということも見えてきました。下水道を繋ぎ込んでもらうために、各家庭を回って説得する普及員の数が、2人から1人に減っているのです。何万とある世帯を回るための人員が一桁であることさえ驚きなのに、その上まだ減っているという事実。正直怠慢といっても過言ではありません。と言って、今からわっさわっさ動いたとして、普及率を何パーセント上げることができるのか、期待できる数字は出ないでしょう。
 八方塞の状態ですが、値上げを呑まざるを得ないと思いました。しかし、フリーハンドで認めてしまえば、苦しくなった時にまた値上げで乗り切ろうと安易に走るのではないかと思い、足かせとして相応の努力をすることを確約させなければならないと考えました。
 そこで、賛成する代わりに、当局に具体的な工程表を策定し、議会に対して明らかにするよう求める「付帯決議」を付けるよう求めました。付帯決議とは議案に、審議の中で出た注文を考慮するよう議会から当局に求めるものです。しかし、付帯決議には法的拘束力がありませんし、それは裁判でも判例として残っています。(東京地判昭和54年3月29日訟月25巻7号1809頁に「法案審査の際、国会の両議院の各地方行政委員会が行つた付帯決議について、当該各決議は各委員会の一般的希望ないし意見の表明にすぎず、関係行政庁に対する法律上の拘束力を有しない。」とあります。)
 〆木先生と相談したところ、「少数意見の留保」という方法があると分かり、議会事務局とすり合わせをしました。少数意見の留保とは、議案に反対したが賛成多数で可決された場合、反対した側である少数の意見を本会議で発表してもらい、議事録に残すというものです。しかし、そこで根本的な問題が出てきました。我々民主クラブの議員がこの議案に反対すると、反対多数で否決されてしまい、少数意見でなくなるので「少数意見の留保」ができないことが分かりました。
 白か黒かだけで、意見をつけることができない。委員会の開会を無理矢理1時間延ばして、議論を詰めましたが、結果思うようには行きませんでした。
 その後、委員会が開会され、議案に賛成の意を表す「起立する」ことしかできず、脱力感を感じながら控室に戻りました。
 負けたように思う悔しい一日でした。

Copyright(C)2006-2007 Tadasuke Yamamoto All Rights Reserved.